どうも、オーディオを中心とするガジェットサイトを運営している、ソラガジです。
前回のZE3000とWF-1000XM4の比較に続いて、今回もZE3000の比較記事です。
今回は、"final ZE3000"と"DENON AH-C830NCW"の比較レビュー!
この記事の内容
・2機種の特徴とは?
・2機種の違いとは?
・どちらの機種がどんな人におすすめ?
詳しいレビューは下記の記事からどうぞ。
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【final ZE3000 レビュー】本気で音にこだわったワイヤレスイヤホン
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【DENON AH-C830NCW レビュー】デノンのHi-Fiサウンドをワイヤレスで
どちらの機種も価格が約15,000円とほとんど同じ。
同価格帯の機種はどんな違いがあってどんな方におすすめなのか?
かなり詳細な部分まで比較したので、是非参考にしてほしい。

では、前置きはこれくらいにして早速2機種の特徴から解説していく。
比較する2機種の紹介
改めて、今回比較するのが、"final ZE3000"と"DENON AH-C830NCW"の2機種。
一つずつどんな機種なのかを紹介する。
final ZE3000
ZE3000は、数十万円のハイエンドクラスの製品から千円ほどのエントリークラスの製品まで幅広い価格帯のイヤホン、ヘッドホンを製造、販売している人気ブランド「final」の初のワイヤレスイヤホン。(コラボ製品は除く)
”finalの大人気有線イヤホン「E3000」を超える音を無線(ワイヤレス)で再現する”ことをコンセプトに開発された機種。
「E3000」は、累計販売数が国内外で数十万台を超え、数々の賞を受賞している評価の高いイヤホン。

E3000
ZE3000は、1万5千円とワイヤレスイヤホンではミドルクラスの価格ではあるが、3万円を超えるようなハイエンド機種にも劣らないようなサウンドを再生できるのが特徴。
ワイヤレスイヤホンは快適で使い勝手の良い製品ではあるが、ワイヤレスであるが故の弱点もある。
その弱点をfinal独自の技術で「線のない有線イヤホン」のサウンドを可能にした。
音に不利な機能はできるだけ省いて音質にフォーカスしていて、価格に対する音質の評価が非常に高い機種。

finalの公式サイトはこちらから。
DENON AH-C830NCW
AH-C830NCWは、昨年の2020年で創設110周年お迎えたオーディオメーカー「DENON」の初の完全ワイヤレスイヤホン。
”デノンがHi-Fiオーディオで培ってきたサウンドをワイヤレスイヤホンで実現する”ことをコンセプトに開発された。
メモ
「デノンがHi-Fiオーディオで培ってきたサウンド」とは
解像度の高さ、空気感、音の広がり、空間の中に音があるという実在感などを表す、デノンのサウンドマスターの山内氏の『Vivid & Spacious』のこと。
筐体は小型でありながらも、大型のドライバーユニットを搭載することで、「デノンらしいHi-Fiサウンド」を再現している。
機能性は普段使いで便利なノイズキャンセリングや外音取り込み機能を搭載。
イヤホン本体の軽さや装着感の良さもこの機種の特徴。
ある程度価格を抑えつつも、必要な機能の搭載、デノンらしい質の高いサウンド、優れた使いやすさなど総合力も高い。

DENONの公式サイトはこちらから。
2機種の概要の比較
スクロールできます。
ZE3000 | AH-C830NCW | |
満足度 | (5) | (5) |
デザイン | (4.8) | (3.5) |
装着感 | (4.8) | (4.9) |
音質 | (4.7) | (4.6) |
機能 | (2) | (3.5) |
コスパ | (4.5) | (4.5) |
総合点 | (4.3) | (4.3) |
ZE3000 | AH-C830NCW | |
メリット | ・ハイエンド機種にも劣らない音質。 ・41gと超軽量。 ・快適な装着感。 | ・超快適な装着感 ・ジャンルによっては最強のサウンド ・安定した接続と通話 |
デメリット | ・外音取り込み非搭載。 ・ワイヤレス充電非搭載。 | ・バッテリー持ち ・ワイヤレス充電非搭載 |
スペックの比較
ZE3000 | AH-C830NCW | |
通信規格 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.0 |
対応コーデック | SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive | SBC / AAC |
ノイズキャンセリング | × | ○ |
外音取り込み | × | ○ |
最大再生時間 | イヤホン本体:7時間 / ケース込み:35時間 | 本体:4.8時間/ケース込み:19時間※ |
充電時間 | 2時間(フル) | 2時間(フル) |
重さ | 約41g(イヤホン片側:4.5g×2+ケース:32g) | 約52.6g(イヤホン:約5.3g×2+ケース:約42g) |
防水規格 | IPX4 | IPX4 |
ワイヤレス充電 | × | × |
アプリ | × | × |
その他 | オートペアリング機能 | Google Fast Pair |
※ノイキャンON時。
機能性は互角で、それぞれ良い点ともう少しの点がハッキリしている。
簡単にまとめると
・ZE3000は、価格を抑える代わりに機能性を削っている。
・AH-C830NCWは、価格を抑えながらもある程度の機能性がある。
どちらも音質は素晴らしい。
自分に必要な機能が搭載されているかで購入を判断するのもあり。


デザインの比較
左がZE3000、右がAH-C830NCW。
ケースの大きさはZE3000の方が小さい。
重量はどちらも軽いが、ZE3000の方が約11g軽い。
AH-C830NCWは背面に文字がないので、シンプルかつ統一感があって良い。
全ワイヤレスイヤホンと比較すると、どちらも「普通~軽い」の間くらいな感じ。
イヤホン本体は両機種ともかなり軽い。
AH-C830NCWは、ケースの内側に文字の記載がある。
基本的に見えないように工夫されている。
どちらもイヤホン本体の出し入れはしやすい。
ZE3000はイヤモニ型。AH-C830NCWはスティック型。
2機種ともLRの記載あり。
ZE3000は見やすい白色。AH-C830NCWは目立ちにくい黒色。
ボタン操作は両機種ともタッチセンサー。
操作方法など詳しい内容は個別の記事をご覧ください。
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【final ZE3000 レビュー】本気で音にこだわったワイヤレスイヤホン
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【DENON AH-C830NCW レビュー】デノンのHi-Fiサウンドをワイヤレスで
比較レビュー
装着感の比較
装着感の良さはかなり重要で、装着感が悪いと音も悪く感じてしまうこともある。
ZE3000は見た目は少し大きめだが、圧迫感や痛みなどは少なく、非常に快適に装着できる。
finalのイヤーピースは安定の良さで、長時間つけていても異物感や不快感もない。
AH-C830NCWは痛みや落ちそうな感じはほとんどなく、耳にすっぽりとフィットする。
手持ちのワイヤレスイヤホンの中では最も装着感がいい。
密閉感が少ないので耳への負担が少なく長時間つけていても疲れない。
その分、素の状態の遮音性は低いが、ノイズキャンセリングで補っている感じ。
ノイキャン非搭載で遮音性を高めるには、耳への密閉感を上げるしかない。
ZE3000は負荷のかかりにくい筐体設計とイヤーピースのおかげで、ノイキャン非搭載ながらも高い遮音性を実現できている。
おすすめのイヤーピース
・final Eタイプ 完全ワイヤレス専用仕様
・JVC スパイラルドット
イヤーピース(イヤホンの先端のゴム)を変えるだけで、装着感やサウンドが大きく変化する。
1,000円程度で装着感の改善、音質の変化ができるのはコスパが高い。
イヤーピースのレビューはこちら。
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【final TYPE E レビュー】迷ったらまずはこのイヤーピース【完全ワイヤレス専用仕様と比較】
音質の比較
両機種とも同価格帯ではトップクラスの音質を誇る。
それぞれの音の特徴と2機種を聴き比べたレビューをした。
ZE3000
「まるで線のない有線イヤホン」
有線イヤホンのようなナチュラルで心地よいサウンド。
どこかの音域が強調されたりすることはなく、音のバランスがいい。
各音域の質の高さや解像度の高さ、音の広がりも十分で、1万円台では最高音質だと思う。
開発のコンセプトが「E3000を超えるサウンド」だが、個人的には「E3000とA4000のいいとこ取り」のような音に感じた。
アップテンポなロックからゆったりとしたバラードまで幅広いジャンルと相性がいい。
高音 | (4.6) |
中音 | (4.8) |
低音 | (5) |
ZE3000について語った記事はこちら。
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【final ZE3000 レビュー】本気で音にこだわったワイヤレスイヤホン
AH-C830NCW
DENONのHi-Fiサウンドが楽しめるワイヤレスイヤホン。
AH-C830NCWのサウンドの最大の特徴は、高域の広がりとエッジの効いたサウンド。
低音は一般的なワイヤレスイヤホンとは逆で量感は少なめ。
ボワつかずにしっかりと芯のあるタイトな鳴らし方。
弦楽器や金管楽器の音の余韻がスーッと伸びる感じが素晴らしい。
ジャズ、クラシック、バラードには間違いなくコレ一択!
高域 | (4.9) |
中域 | (4.7) |
低域 | (4) |
AH-C830NCWについて語った記事はこちら。
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【DENON AH-C830NCW レビュー】デノンのHi-Fiサウンドをワイヤレスで
聴き比べ
どちらもナチュラルで自然なサウンドが特徴。
簡単にまとめると
・より音の解像感が高く一音一音ハッキリしているZE3000。
・よりナチュラルで滑らかな音なのはAH-C830NCW。
好みの音はAH-C830NCW。
ZE3000の方が低域~高域まで偏る事なくなっている。
AH-C830NCWと比較すると音の粒立ちがハッキリ、クッキリしている印象を強く受けた。
音が全体的に近く感じるのでより迫力や臨場感を感じれる。
一方のAH-C830NCWは、少し高域寄りのバランスで、その高域が僕の好みにどストライク。
特にバイオリンの絃の余韻まで表現しているのが聴いていて癖になる。
聴いていて心地の良いサウンド。
相性のいいジャンル
・オールジャンル対応できるのはZE3000。
・ジャズ、クラシック、バラードにはAH-C830NCW一択。
この2機種は曲やジャンルによって印象が大きく変化する。
自分が聴くジャンルでどちらにするか決めるのもあり。
WF-1000XM4、ZE3000、AH-C830NCWの3機種を比較すると
・ポップスやロックは、WF-1000XM4 > ZE3000 > AH-C830NCW。
・ジャズやクラシックは、AH-C830NCW > ZE3000 > WF-1000XM4。
AH-C830NCW、ZE3000、WF-1000XM4の3機種が使用頻度の高さTOP3。
これからもわかる通り、どのジャンルでもいい感じに聴けるのはZE3000。
音質はどれも素晴らしく、サウンドに関しては好みの問題だと思う。


→前の記事でZE3000とWF-1000XM4を比較した。
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【徹底比較】"final ZE3000"と"SONY WF-1000XM4"どっちがおすすめ?【予算次第】
機能性の比較
ここからは機能性を比較していく。
ZE3000 | AH-C830NCW | |
対応コーデック | (5) | (3) |
ノイズキャンセリング | (0) | (3.8) |
外音取り込み | (0) | (4.3) |
バッテリー関連 | (4.5) | (3.5) |
接続の安定性 | (5) | (5) |
防水規格 | (3) | (3) |
アプリ | (0) | (0) |
総合 | (2) | (3.5) |
ZE3000は機能をがっつり省いている。
AH-C830NCWは需要の高い機能を最低限搭載している。
対応コーデックの比較
iPhoneユーザーは特に意識する必要ないのでスルーで大丈夫。
ZE3000 | AH-C830NCW | |
対応コーデック | SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive | SBC / AAC |
ZE3000のみハイレゾに対応したaptX Adaptiveに接続できる。
AH-C830NCWはSBC、AACのみ。
LDAC搭載してほしかった…
コーデックについて解説した記事はこちら。
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Bluetoothの"コーデック"とは?【気にする必要あるの?】
ノイズキャンセリングの比較
AH-C830NCWのみ対応。
屋外、カフェくらいの音の大きさはしっかりカットできている。
AH-C830NCWはそもそもノイキャンOFF時の遮音性が低いので、どうしてもノイキャンをONにしていても周囲の音が入ってきてしまう。
例えば、電車の音は音楽を聴いていても多少聴こえる。
ZE3000はノイズキャンセリング機能は非搭載。
ただし、イヤホンを装着するだけでもかなりの外音をカットしてくれるので、思っているよりかは周囲の音は気にならない。
ZE3000(ノイキャン非搭載)とAH-C830NCW(ノイキャンON時)の遮音性
・高音:同じくらい遮断されている。
・低音:AH-C830NCWの方がよりカットできている。
少しだけだけAH-C830NCWが優勢。
静かな部屋や場所ではほとんど違いはない。
電車や周囲の音が大きい場所では「AH-C830NCWの方がいいかな。」と感じる程度。
装着感と遮音性の関係
2機種の「装着感と遮音性の関係」を比較すると、素の状態だとZE3000の方がAH-C830NCWよりも遮音性は高いが、耳への圧迫感も強い。(あくまで比較対象がAH-C830NCWの場合の話)
AH-C830NCWのノイズキャンセリングは他と比べると弱めだが、「あの違和感なしの素晴らしい装着感に遮音性が高くなる」と考えれば、非常に効果があると思う。
ノイズキャンセリングをあえて非搭載にして空いたスペースを音響設計に使ったZE3000は、finalの音に対するこだわりが感じられた。
これはどちらが良い悪いというよりも、何を重視するか。
・密閉感が強いが高い遮音性のZE3000。
→ノイキャン非搭載な分、他の性能が高い。
・密閉感が低く超快適な装着感×ノイキャンのAH-C830NCW。
→他にないストレスフリーな装着感で音楽を楽しめる。
外音取り込みの比較
外音取り込みもAH-C830NCWのみ対応。
AH-C830NCWの外音取り込みの効果はかなり高い。
先程、ノイキャンの解説の時にも書いたが、AH-C830NCWはノイキャンOFF時の遮音性が低いので、その効果も合わさって「周囲の音を聴く」のは有利。
イヤホンを装着しながらでもレジでのお会計や電車のアナウンスを聞き取ることは可能。

バッテリー持ちの比較
ZE3000 | AH-C830NCW ※ノイキャンON時 | |
最大再生時間 | イヤホン本体:7時間 / ケース込み:35時間 | イヤホン本体:4.8時間 / ケース込み:19時間 |
※AH-C830NCWのノイキャンOFF時は、イヤホン単体で6時間、ケース込みで24時間。
ZE3000は十分すぎるバッテリー持ち。
ケース込みのバッテリー持ちも長いので、1週間に1回充電するかしないか、くらいな感じ。
AH-C830NCWのバッテリー持ちは、1週間に必ず1回充電しないと不安。
充電時間
充電時間はスペック上同じ。
ZE3000 | AH-C830NCW | |
充電時間 | 2時間(フル) | 2時間(フル) |
どちらも2時間でフル充電。
フル充電に3時間かかる機種も多いので2時間で完了するのはありがたい。
接続の安定性の比較
Pixel 6で接続しているが音途切れはほとんど起きていない。
人込みや地下に行ってもかなり安定している。
AH-C830NCWは「Google Fast Pair」に対応しているので、Android端末を使っている方はスムーズに接続できる。
防水性能の比較
両機種ともIPX4を搭載。
多少の小雨や汗などは問題なし。
運動、ランニング時にも安心して使用できる。
その他の機能の比較
上記で説明した以外の細かな機能もあるので、知りたい方は個別の記事をどうぞ。
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【final ZE3000 レビュー】本気で音にこだわったワイヤレスイヤホン
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【DENON AH-C830NCW レビュー】デノンのHi-Fiサウンドをワイヤレスで
機能性の評価
ZE3000 | AH-C830NCW | |
対応コーデック | (5) | (3) |
ノイズキャンセリング | (0) | (3.8) |
外音取り込み | (0) | (4.3) |
バッテリー関連 | (4.5) | (3.5) |
接続の安定性 | (5) | (5) |
防水規格 | (3) | (3) |
アプリ | (0) | (0) |
総合 | (2) | (3.5) |
機能性はAH-C830NCWの方が優秀。
価格を考慮すれば十分な機能性だと思う。



どっちがおすすめ?
ここまで2機種の比較をしてきたが、結局どちらがおすすめなのか?
こんな人におすすめ
ZE3000 | AH-C830NCW |
・価格と音質のコスパを求める人 | ・価格と音質と機能性のバランスを求める人 |
ちなみに価格はどちらも約15,000円くらい。
上記の項目に当てはまる人には本当におすすめ。


比較レビューまとめ
以上、final ZE3000とDENON AH-C830NCWの比較レビューでした!
どちらの方が気になったでしょうか?
2機種とも自信を持っておすすめできる機種!
ワイヤレスイヤホンで3万円以上のハイエンドクラスの機種もいくつか所持しているが、全く違和感なく使っている。

サウンドで満足できない人は、有線のミドルクラス以上を試すしかない。
これを機にいい音で音楽を楽しんでほしい。


より詳しいレビューが見たい方はこちらからどうぞ。
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【final ZE3000 レビュー】本気で音にこだわったワイヤレスイヤホン
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【DENON AH-C830NCW レビュー】デノンのHi-Fiサウンドをワイヤレスで
